TOP ぬかぴーのツブヤキ 〈読み続ける、自分だけは〉17音に託す鎮魂と痛切な思い

ぬかぴーのツブヤキ

発信者:ぬかどこのつぶやき
2021.03.22

〈読み続ける、自分だけは〉17音に託す鎮魂と痛切な思い

皆さん、こんにちは。
先日の日経新聞に「〈読み続ける、自分だけは〉17音に託す鎮魂と痛切な思い」という記事がありました。

これは「災厄と文化」というシリーズのなかの俳句についての記事です。
通常、五・七・五の17音のなかに季語を入れて表現する俳句は、災害や社会問題を扱うには適さないそうですが、ただ10年前の東日本大震災のときにはそんなイメージを覆す句が生まれたそうです。
例えば2011年4月の日経新聞俳壇に掲載された次の句「さくら さくら さくら さくら万の死者」。これを詠んだ作者である桃心地さんは岩手県の大船渡に住み、この10年季節を問わず震災にまつわる句を詠んできたそうです。ただ、「震災直後は俳句をやめようと思った」とのこと。それはあの日に目にしたのは見渡す限りのがれきと、津波にのまれた遺体だったそうで、「これを詠むのは無理だ」と思ったからだそうです。その後、ぼうぜんとする日々の中、徐々にわき上がってきたのは「亡くなった人たちはきっと何か言いたかったはず。生き残った自分がその声を伝えなければ」と思い読み続けているそうです。
あの日から10年が過ぎ、毎年毎年、震災に関する報道が減ってきているなか、もしこのままオリンピックが開催されれば、戦争のように震災もなかったものにされるかもしれないと思うと、アスリートの皆様には申し訳ないのですが、オリンピックは中止がいいのではと改めて思いました。