ぬかぴーのツブヤキ
発信者:空蝉橋博士
2020.06.01
STAY HOME で出会った本
休日でも外出ができない日々が続いています。私はといえば、ソファで本のページをめくる日々。
そんな中、印刷会社が舞台となっている小説があることを教えていただき、読んでみましたので紹介いたします。
『本のエンドロール』 安藤祐介、講談社(2018)
主人公の営業マンが、製造部に急な作業の割り込みをお願いするシーンから始まる、この小説。
本がどのように造られているかを知りたい、と思った作者が、構想8年、取材期間3年の末に書き上げた作品だそうです。取引先と製造現場との間で板挟みになりながら、どうにかして依頼主の希望を実現し、完成させようとする主人公。その苦労が実際にありそうな設定で上手く描かれています。
印刷業界の専門的な知識や技術も詳しく調べてストーリーに盛り込んであり、登場人物各自の仕事に対する考え方の違いもリアルに表現されます。
ストーリーが進むごとに、立場の違う者同士が理解し合う展開もドラマチック。こうだったらいいなあ、と思う結末にも大変満足。気になった方は是非読んでみてはいかがでしょうか!