ぬかぴーのツブヤキ
発信者:ナナわんこ
2023.10.26
丘から眺めているオオカミ
都内にオオカミを探しに その29
ニホンオオカミ研究家(自称)のナナわんこです。今回ご紹介するのは練馬区大泉町1丁目にある八坂神社の境内社「御嶽神社」にいるおいぬさまです。
大泉八坂神社は練馬区北部の埼玉県和光市との県境近くにあり、都営大江戸線・光が丘駅から徒歩35分ほどの住宅地にあります。八坂神社は石段を上った丘の上にあり、さらに数段の石段を上ると境内社の御嶽神社があります。その27でご紹介した土支田八幡宮から直線距離で500mほど西側になります。
大泉八坂神社の創建年代ですが、江戸時代の文化文政期(19世紀初頭)の記録でもすでに「不明」とされており、その頃「天王社」と呼ばれていた社名が明治初年に八坂神社に改められたそうです。境内社には御嶽神社の他、稲荷神社、浅間神社があり、また「中里富士」と呼ばれる富士塚があることでも著名な神社です。
鳥居から長い参道を歩くと、二十数段の石段の上に八坂神社の社殿があります。さらに左側にある石段を上った先に御嶽神社がありました。小さいながら立派な社殿の前に一対のおいぬさまが向かい合っています。
おいぬさまはゴジラタイプの怖いお顔で、背中にはうねうねと骨の表現、長い尻尾と片手を「お手」のように石に着いているのが特徴です。台座には大正二年の印刻がありますが、新しい台座に比べ像はそれほど新しいものにも見えず、傷みも激しいことから像の建立がその年かは不明です。
今は背後にも住宅が立ち並んでいますが、1950年代にはまだ家はまばらで、南側に流れる白子川の谷を経ていまでも眺望が開けており、江戸期から永い間の風景の移り変わりを眺めていたのでしょう。