TOP ぬかぴーのツブヤキ ╞╪╡ 鐵 學 ╞╪╡ (1) 半世紀前の山間の駅

ぬかぴーのツブヤキ

発信者:ナナわんこ
2024.01.12

╞╪╡ 鐵 學 ╞╪╡ (1) 半世紀前の山間の駅

今回から「鐵學(てつがく)」と称して、永遠に交わることのない2本のレールにまつわるお話をツブヤキたいと思います。
その第1回目は、私が中学生の時に撮った1枚の写真についてです。

関西本線 加太(かぶと)駅

JR西日本の関西本線といっても、関東の方には馴染みが薄いかと思いますが、もともと私鉄の「関西鉄道」として敷設され、加太駅は1986(明治29)年に開設されました。
当時、官設鉄道の東海道本線は、名古屋から岐阜・米原経由で開通したため、関西鉄道は旧東海道に沿い名古屋から鈴鹿山脈を越えて草津を結び開通させ、徐々に奈良・大阪に伸びていきました。

加太駅 1973年3月

写真は1972年3月にまだ走っていた蒸気機関車を見るため、友人と紀伊半島一周の旅に出かけた時の一コマです。
山間のローカル駅ながら、ゴミ一つない構内にD51(デコイチ)が牽く上り旅客列車が入ってきました。「便所」と書かれた左奥から駅員の方が出てきて列車を見ていますが、撮影した時は「じゃまなオジサンが入った」と友達と怒っていましたが、いま見るとなんとも風情ある写真になっています。

加太駅 2017年3月

次の写真はそれから約半世紀後に訪れた時の一コマです。驚いたことに駅は無人化されただけでほとんど昔の姿をとどめており、トイレも昔のままのたたずまい(さすがに水洗でした)。
変わったのはバックの風景です。昔の写真ではホーム後ろに低い木々が写ってていますが、それが大木となり背景を遮り、時間の流れを感じさせます。

関西本線は大阪寄りの西半分は快速電車が走る通勤路線となっていますが、加太駅は1時間に1本ディーゼルカーが走るのどかなローカル駅で、静かな姿を山間に残しています。

加太駅はこの場所(Googleマップ)