ぬかぴーのツブヤキ
╞╪╡ 鐵 學 ╞╪╡ (7) 通行手形が無いと走れない
「鐵學(てつがく)」と称して、永遠に交わることのない2本のレールにまつわるお話をツブヤいています。
その第7回目は、列車を安全に走らせるための「しくみ」のお話です。
通票(タブレット)のある風景
線路の単線・複線はご存じだと思いますが、単線の場合は同じ線路を上り・下りで共用しているため、当然どちらか1本の列車しか同時に走ることはできません。その安全を確保するしくみが「閉塞(へいそく)方式」という衝突を防ぐための信号保安システムなのですが、それはまた別の機会につぶやいてみます。
ここでは代表的なタブレット閉塞方式の風景を紹介します。
タブレットとは写真にあるような輪についた革ケースに収められた金属板=通票のことですが、それを吊り下げたこの輪も総称して一般的にタブレットといいます。通票には駅間ごと決められた異なる形状の穴が空いています。三角(サンカク)、四角(ヨンカク)、丸(マル)、まれに楕円の種類があります。
たとえばA駅からB駅に通行する101列車は、サンカクの通票をA駅で受け取り、それを持ってB駅まで進みます。
C駅からはヨンカクの通票を持った102列車がB駅に入ってきます。
B駅では101列車は102列車が返却したヨンカクの通票を受け取りC駅に進みます。102列車は同様にサンカクの通票を受け取りA駅に進みます。
同一区間にはつねに決められた通票を1個発行して、それを持つ列車だけが単線区間に入れるしくみになっています。
実際の通票の発行は、A駅=B駅間で連絡を取り合い、発車側の駅の機械から通票が発行され、列車に持たせますので、持って行ったタブレットが戻されなくとも2本連続同方向でも通行ができます。
それでは昔の写真を見てみましょう。
まずは駅に到着しタブレットを渡すまでです。
では駅のホームの風景も見てみましょう。
上の写真の川越線や成田線、八高線(高麗川~八王子)は通勤電車が走る近代的な駅となり、昔の写真を思い出す手がかりもありません。昔は当たり前だった風景は、もはや「知らない」時代となりました。