ぬかぴーのツブヤキ
╞╪╡ 鐵 學 ╞╪╡(64) ディーゼル こんちくしょう!
「鐵學(てつがく)」と称して、永遠に交わることのない2本のレールにまつわるお話をツブヤいています。
「こんちくしょう!」とは少し下品ですが、今回は小6の夏休みの思い出にまつわるおはなしです。
八高線、炎天下での線路歩き
いまから半世紀以上前になりますが、八高線の蒸気機関車が廃止になる計画が出て、すでにディーゼル機関車が走り始めたと聞いたので、小6の夏休みに同級生と八高線に写真を取りに行きました。思えば初めての「遠征」で、鉄道雑誌で仕入れた情報だけを頼りに、西武池袋線に乗りました。
汽車が牽く貨物列車が目当てですが、乗った西武線が八高線との乗り換えの東飯能駅に到着する時はすでに貨物が出発してしまう時間になるため、一つ前の元加治駅で降りて猛ダッシュ。八高線と交差する築堤が見えた時に汽車の汽笛が聞こえたので、必死で築堤を駆け上がり撮影しました。
幸先良いスタートに気を良くして、そこから線路沿いに南下。実は線路沿いと言っても、ダイヤは分かっていたのでほとんど線路上を歩いて行きました。もちろんいけないことですが、いまほど怒られもせず、近隣の人もショートカットで良く歩いていました。(もちろん、トンネルや橋梁はダメですが)
しかし、幸先よかったはずが、来る列車はディーゼル機関車が牽引したり、ディーゼル機関車が先頭で蒸気機関車が次位に付いていて写せず、炎天下の中を歩いてふらふらになりながら、「こんちくしょう!」とディーゼル機関車に向けて悪口を言っていました。
結局、列車の半分以上がディーゼル機関車牽引になっていましたが、それなりに満足しました。
夕方近くになり、箱根ヶ崎駅まで歩き着くと、駅員さんに炎天下を10km近くも歩いて来たと言うと、とても驚かれたことを覚えています。
ちなみに、写真の背景はいずれも野趣あふれる景色ですが、現在はびっしりと住宅が立ち並び、桑畑や草原・畑地を貨物列車が一直線で進むこのような景色はありません。
また当時はベトナム戦争の最中で、頭上をF4ファントム戦闘機が横田へ離着陸を繰り返すキーンというジェット音が耳に残っています。