ぬかぴーのツブヤキ

「鐵學（てつがく）」と称して、永遠に交わることのない2本のレールにまつわるお話をツブヤいています。
今回は東京にある米軍専用鉄道のおはなしです。

この専用軌道は拝島（はいじま）駅が起点となっています。拝島駅は東京都昭島市と福生市にまたがり、JR東日本の青梅線・五日市線・八高線の3路線と、西武鉄道拝島線が乗り入れており、さらにJR貨物の取扱い駅でもある多摩地区での交通の要所です。

横田基地は拝島駅の真北に位置し、横田基地専用線は青梅線 拝島駅の立川方にある引き上げ線と接続しています。
拝島駅北側にある米軍横田基地への引き込み線は、駅東側から出発し、すぐ西武拝島線と平面交差して進む配線になっています。

「米（べい）タン」というキーワードは中高年の方はすぐピンとくるはずです。ベトナム戦争やその反戦運動が盛んな１９６７年に新宿駅で起きた米軍燃料輸送車（米タン）の追突事故で、それを契機として学生運動や国鉄ストなどの大きな社会運動となりました。
現在でも横田基地への航空燃料輸送が続けられており、在日米軍の鶴見貯油施設（横浜市鶴見区）に近い安善駅から鶴見線・南武線・武蔵野線で府中本町駅へ、そこから再び南武線経由で立川駅から青梅線経由で拝島駅へ輸送されています。
興味のある方は、ウェブサイトなどを見てください。

沿線や踏切などでは、写真のような「警告」が掲示されており、在日米軍基地の立入禁止区域と明記されています。もっとも一般の鉄道敷地内も立入禁止ですが。
平日の午前（横田基地⇒拝島駅）、夕方（拝島駅⇒横田基地）の運行がありますので、興味がある方は見学に行ってみてください。