TOP ぬかぴーのツブヤキ ╞╪╡ 鐵 學 ╞╪╡(92)愛嬌ある"ムーミン"機関車

ぬかぴーのツブヤキ

発信者:ナナわんこ
2025.10.31

╞╪╡ 鐵 學 ╞╪╡(92)愛嬌ある"ムーミン"機関車

「鐵學(てつがく)」と称して、永遠に交わることのない2本のレールにまつわるお話をツブヤいています。
今回は「きかんしゃトーマス」を彷彿とさせる“ムーミン”機関車をご紹介します。

EF55形電気機関車 通称“ムーミン”

EF55形電気機関車は1936(昭和11)年にわずか3両が製造された電気機関車です。写真で見るように、ムーミンのような独特な「カオ」をしていますが、このデザインは当時世界的に流行した「流線形ブーム」に影響されたもので、航空機や機関車・電車等の多くの乗り物に影響を与えました。とはいえ、飛行機も鉄道も現在のような高速走行ができない時代で効果も薄く、工作やメンテナンスでの支障でこのブームはほどなく下火となりました。
ちなみに現在は「ムーミン」と呼ばれていますが、デビュー時は「カバ」だったそうで、そのほうが近い気も……。

品川駅に姿を現した“ムーミン”(1996)
ムーミン顔の反対側、こちら側の先頭走行は考慮していなかったため簡易運転台しかありません(大宮工場)

EF55形がデビューした際は、東海道線の特急列車の牽引も行いましたが、流線形の効果もなく車両の前後が非対称のため、折り返しで方向転換を強いられるデメリットがあるため、主流とはなりませんでした。
写真のEF551号機は解体されることなく静態保存されていましたが、1986年に動態復元され高崎から上越・信越線のイベントで活躍しました。
その後2009年に運用を終了、現在はさいたま市の鉄道博物館(てっぱく)に展示されています。

高崎以遠でのイベント列車牽引だったEF55ですが、珍しく首都圏を走りました(次位のEF5889もてっぱくで見られます)蕨~西川口間にて(1996)

スピードを追求する精悍なイメージの流線形フォルムとはちがう、ユーモラスな“ムーミン”機関車は、「てっぱく」でも人気の車両です。

てっぱくの展示についてはこちらから(HPにリンク)