ぬかぴーのツブヤキ
╞╪╡ 鐵 學 ╞╪╡(99) 思い出の上野発着 寝台特急(4)
「鐵學(てつがく)」と称して、永遠に交わることのない2本のレールにまつわるお話をツブヤいています。
今回も思い出に残る上野駅を発着した寝台特急をご紹介します。
北陸方面へ短距離を走った「北陸」
「北陸」は上野駅・金沢駅間を高崎線・上越線・信越本線・北陸本線経由で運行された寝台特急列車です。その走行距離は 517.4kmと寝台専用の特急列車の中では最短でした。また同区間は昼間は電車特急「能登」が、夜行は寝台特急として「北陸」という運行がされていました。
首都圏から北陸方面へは短距離だったため、安価な夜行高速バスへの対抗や、昼行列車「能登」との関係から、「北陸」は設備の差別化を図り、早い時点から寝台の個室化=「シングルデラックス」や「ソロ」、シャワー室付き車両の導入が進み、人気がありました。
しかし車両の老朽化や、航空機や夜行高速バスに旅客が移り利用率が低下、2010年3月13日のダイヤ改正により廃止されました。
寝台・夜行列車時代の終わり
1960年代の高度成長を支えた大きなインフラである鉄道網、特に人の移動では東海道・山陽新幹線よりも整備が遅れた東北・北陸、そして北海道方面へは鉄道が重要な移動手段でした。
上野駅から北海道へは連絡船接続に合わせ東北・常磐線経由で青森まで、山形・秋田へは奥羽本線経由で、北陸の富山・金沢方面へは信越線・上越線経由で、仙台・新潟・長野などの「近場」へは座席の夜行急行・普通列車が数多く発車していました。それらのほとんどが機関車牽引の客車列車でした。
時代は変わり、移動手段だった寝台列車は観光や移動を楽しむ豪華列車となり不定期ながら残っていますが、本年6月のカシオペア完全引退で機関車牽引の客車寝台列車はなくなりました。
余談ですが、1970年代までは長距離夜行普通列車が残っており、私の知り合いのオジサンは都内の職場からの帰り大酒を呑み、高崎線鴻巣駅で降りるところ、上野駅で上越線経由新潟行きに乗ったため新潟県の長岡駅で目が覚めたそう。終電・高尾(大月)行の恐怖を軽く超えますね。
