ぬかぴーのツブヤキ
╞╪╡ 鐵 學 ╞╪╡(141)保存蒸気3態 その1
「鐵學(てつがく)」と称して、永遠に交わることのない2本のレールにまつわるお話をツブヤいています。
今回から3回にわたり、ちょっと珍しい保存蒸気機関車をご紹介します。
各地にある「公園SL」
今年は旧国鉄の蒸気機関車が消滅してから50年になります。
50年前は消える蒸気機関車への郷愁から、空前のSLブームが吹き荒れましたが、その収束も速かったものです。そのころ各自治体などはブームを受けて国鉄から蒸気機関車を借り受け、公園などで展示しましたが、その熱量は様々で、早々に錆びた鉄くずになったものや、いまでも地域や鉄道関係者の方が大切に手入れをして維持している車両もあります。いわゆる「公園SL」は北海道から沖縄まで、程度の差はありますが数多くが残っています。
よみがえった「鉄道記念物」 110形蒸気機関車
今回からご紹介する3車両は「公園SL」ではなく、変わった経歴をもつ車体です。
110形は1872(明治5)年の鉄道開業時に、150形などと共にイギリスから輸入された蒸気機関車10両のうち、ヨークシャー社製で1両のみ輸入されました。その後各地で活躍し1924(大正13)年に廃車、「最古の機関車」として大宮工場で保存されることになりました。その際、研修用にボイラーの中身が見えるよう本体右側を大きくカットされました。
1961(昭和36)年に鉄道記念物に指定、翌年開設された青梅鉄道公園に移され保存されていました。
長い年月を青梅鉄道公園の野外にボディカットのまま展示されていましたが、2018年に修復計画が持ち上がり、JR東日本大宮総合車両センターで修復とカット部分の原状復帰が行われました。
そして2020年に鉄道開業の地、桜木町駅(初代の旧横浜駅)に併設された「CIAL桜木町 ANNEX」の「旧横濱鉄道歴史展示」に移設、公開されました。
JR東日本の「本業」である鉄道に対する熱意を感じさせる修復と展示です。
CIAL桜木町 ANNEXには車両だけでなく、信号機や開業当時の構内模型、古写真なども展示されています。ぜひ美しく修復された最古の蒸気機関車を見に行ってください。
